【日本の城景】「岡崎城」 神君出生、今は憩いの場(産経新聞)

 薄紫のシャワーが新緑の城を彩っていた。4月末、藤棚が見ごろをむかえた愛知県岡崎市の岡崎城。約1300平方メートルの藤棚では、樹齢120年を超えた古株も盛りの花をつけていた。

 岡崎市役所観光課によると、藤棚はかつて、城の入り口付近にあったとされ、岡崎藩が5万石だったことから「五万石藤」と呼ばれている。

 藤棚や岡崎城天守閣がある岡崎公園は、約10万平方メートルの広大な敷地を有し、今は市民の憩いの場だ。

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 文献などによると、同城は康正元(1455)年に築かれ、享禄4(1531)年、徳川家康の祖父、清康が居城とした。天文11(1542)年、家康が岡崎城で誕生。産湯に使ったという井戸が今も残る。桶狭間の戦い後、岡崎城に入城した家康は、元亀元(1570)年に浜松に移るまで、城主となった。

 城主が本多氏に代わっていた元和3(1617)年、南に附櫓、東に井戸櫓を持つ天守閣が築かれた。天守閣は明治6年から翌年にかけて取り壊されたが、昭和34年に再建された。

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 廃城の際、城の柱3本と城内に植えてあったソテツが、近くの「カクキュー」の屋号で知られる合資会社八丁味噌の早川家に贈られた。そのソテツは、約130年たった今も生き続け、昨年も花を咲かせた。

 正保2(1645)年の創業で19代目の早川久右衛門氏(59)は、歴史が息づく城下町の歴史に触れ、「江戸時代から続く味噌づくりの製法や味を地場産業として、地域力として無くしてはいけない」と言い、城の存在とともに、「100年も200年も、未来に残していきたい」と話した。

 取材に訪れた最終日、降りしきる雨も止み、五月晴れの青空が広がった。「神君出生の城」に、元気な子供たちの声がこだました。(写真報道局 竹川禎一郎)

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 【アクセス方法】 名鉄で東岡崎駅下車。徒歩15分。問い合わせは岡崎城(TEL0564・22・2122)。

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